撮影現場で苦肉の作とは…?
ロケハンの際にはとても静かな庭だったが、撮影当日の朝到着すると、水が流れる音が聞こえる。後ろに噴水があり、水しぶきの音だ。うるさいので止めようとスタッフに頼んだが、日曜だったため担当の係員もいなくて、さあ困った。ワイドアングルはまぁ仕方ないが、クローズアップは口の動きと合わせるのは難しいから、同録で綺麗な音をどうしてもとりたい。ポストでアフレコでの録音は、予算もかかるし避けたい。
解決案として、噴水と二人が座ったテーブルの間に毛布を使って即席の壁を作り音をシャットアウトした。撮影班によるまさに苦肉の作であった。
(教訓1)撮影現場の音のチェックは再確認しよう。
- 2009/12/22(火) 18:34:56
映画の重要点とは…? ゴールデンアワーとは…?
映画で一番重要と言われるのがオープニングとエンディングだ。インパクトあるオープニングで観客を一気に引き付ける。エンディングはさらに印象あるシーンで心情と脳裏に焼き付ける。だいたいフィルムメーカーはエンディングが先ず浮かんで、その後オープニング、そして中間のストーリーは、山あり谷ありの要素を埋め込んで行くのが定番のやり方と言われる。でもこの中間の組み立てがなかなか難しい。エンディングが良ければ、観客は途中の矛盾点や疑問点はいつのまにか忘れ去られたり、許してしまう傾向がある。
オープニング・クレジットが始まるシーンは海辺でユキが1人で歩いていくが、最後のエンディングでは2人で歩き去る…というブックエンド・スタイル(本の両端のしめくくりの意味で、同じシーンに戻る的やり方)を取り入れた。
マリブの海岸で撮影した海辺の夕陽のシーンは、ゴールデンアワーといって陽が沈む1時間前が一番美しいが、実際に15分ほどしか時間がないので、現場はかなりの緊張感が走った。(DVDの特典映像メイキングでその様子がわかります)
ステディー・カムという手持ちの専門カメラマンを雇い、万全の準備をした甲斐があった。時間がないので1テイクしか撮影出来なかったのは残念だ。
最初にステディー・カムが使われた作品は、1976年の「ロッキー」でロッキーが朝のトレーニングでフィラデルフィアの博物館前の階段を走りながら登り、両手を上げるシーンと言われる。動きのある一連のショットが、カットなしでそれもスムーズに動く。これをスクリーンで見た時はかなり衝撃的なうえに、機材専門家の間ではどうやって撮影したのか? と話題なったらしい。
- 2009/12/20(日) 11:03:01